柔術がなぜ知的スポーツと言われるのか考えた話

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こんにちは、taikiです。
メディアの露出が増えつつある柔術ですが、取り上げられ方の1つに「知的スポーツ」とか「マット上のチェス」とか「(あの頭脳集団である)Googleで福利厚生として採用」といった感じで、インテリジェンスを際立たせて紹介されることがあります。

なぜ柔術は知的なスポーツなのでしょうか。

今回は、柔術が知的と呼ばれる所以について掘り下げてみましょう。

知能にはガリ勉型とアウトロー型の2つがある


人によって「賢い」「頭が良い」と言った言葉が持つイメージや定義は大きく異なるでしょう。人によっては東大卒・弁護士のような高学歴・難関資格をイメージする人もいれば、自分からはどう頑張っても出てこないような独創的な発想をする人をイメージする人もいるでしょう。また、機転の聞いた事をとっさに言えるお笑い芸人をイメージするかもしれません。

「賢い」「頭が良い」を構成する知能には、大きく分けて、「流動性知能」と「結晶性知能」の2つがあります。

結晶性知能(Crystallized Inteligence):
学校で受けた教育や、仕事・社会生活の中で得た経験に基づいた知能である。例えば、言葉の分析、単語力、語学能力などは、この結晶性知能によって行われる。

流動性知能(Fluid Inteligence):
新しいことを学習する知能や、新しい環境に適応するための問題解決能力などのことである。未知のパターンを認識することに関わる能力全般。

出所:Wikipedia

要は時間をかけて積み上げたガリ勉型と「あの人学歴無いんだけどなんだか頭の回転早いよね」的なインテリヤクザに代表されるようなアウトロー型の2つです。結晶性知能をガリ勉型、流動性知能をアウトロー型として柔術における役割を見ていきましょう。

ガリ勉型知能の柔術での使い方


柔術は多くの技を知っていると有利です。先日、岩崎選手のブログでも「分かっていると言うディフェンス」という記事で取り上げられていました。

いわゆる結晶性知能(≒ガリ勉型知能)です。

時間をかけて積み上げていくと、知識と知識が繋がり合って、連鎖して行きます。コツコツと継続する地味な努力が求められます。スティーブ・ジョブズの言葉を借りるのであれば、「Connecting the dots(点と点を繋げ)」ってやつですね。

ちなみに結晶性知能は積み上げ型であるため、60歳頃までは伸びると言われています。「ベテランの経験」と言われるものは結晶性知能そのものです。

アウトロー型知能の柔術での使い方


直感とか独自の発想といったアウトロー型知能である流動性知能も柔術では必要になります。

ベリンボロのように「パスガードしないでいきなりバックとっちゃえばいいんじゃねぇ?」みたいな発想だったり、メンデスのように見たこともない技を披露する選手は創造力や斬新な発想、問題解決能力といった流動性知能を駆使して柔術を行っています。

これらはガリ勉型ではない、一歩引いて違う角度で物事を捉えたり、いろんなものを組み合わせて新しいものを生み出したりといったアウトロー型知能です。柔術はこちらの知能も求められます。

先日情熱大陸で湯浅選手が取り上げられた際に、知恵の輪の話をしていました。知恵の輪をやる意味は、流動性知能のトレーニングと私は解釈しました。

Toshiomi Kazama vs Kenta Iwamoto / Gonna be CUP

この動画の6:40あたりのバック取られかけて後転して逃げるシーンはアウトロー型の流動性知能ならではだと思います。

知的スポーツの理由は2つの知能が求められるから

柔術が「知的スポーツ」とか「マット上のチェス」と呼ばれる理由は、ガリ勉型とアウトロー型の両方の知能をフル活用することを求められるからと解釈することが出来ます。

コツコツと積み上げることも大事だし、それなしには強くなれない一方で、先例主義に陥ると知らない技が出てきた時はお手上げです。時には一歩引いて違った発想で物事を捉えることも求められます。自分が長い時間をかけて積み上げ、体系立てた理論をたまにはぶっ壊して、再構築することを求められるんですから、脳ミソはフル回転です。

知能総動員法発動でフル回転している状態は、あっという間に時間が経過して、フロー状態(*)に人を導きます。だからこその知的スポーツなんでしょう。更に身体の動きもついてきて身体的な充実まで得てしまうわけです。

フロー状態:
人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されている。
出所:Wikipedia

優秀と言われる大学を出たからといって必ずしも「知的な人」ではない人が多い理由や結晶性知能に偏った先例主義の偏差値エリートの脆さの理由も同時にわかってくると思います。日本の学校教育の課題も要は結晶性知能に編重した方針にあるわけです。

このように柔術を通じて日本の教育問題にまで視野が広がっちゃうんだから知的スポーツじゃない訳がない!

まとめ:ガリ勉とアウトローの交差点こそが柔術だ


柔術をやっていると柔術を通じていろんな人に出会うことが出来ます。その中には世間一般ではエリートと呼ばれる人もいれば、若い頃ヤンチャだったけど今は会社の社長をやっているといった人もいて、人材の坩堝です。

勉強をコツコツ積み上げて良い学校に行って、いわゆるエリートと呼ばれる人生を歩んできた方々が得意なのが結晶性知能(ガリ勉型)とすれば、そういった道から外れて、度胸と直感でヤンチャに非日常を積み上げた方々が培ってきたのが流動性知能(アウトロー型)です。

柔術を通じて自分が過去に諦めた勉強をやり直したり、人の目を気にして出来なかった度胸と直感でヤンチャに生きることの片鱗を感じ学べるのが、ガリ勉とアウトローの交差点である柔術なのかもしれません。

研究所からは以上です。

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