教則動画レビュー『松本一郎 GUARD REVIVER』

こんにちは、taikiです。

大変ご無沙汰しております。ずっと更新をサボっていますが、元気に柔術しております。
時間を見つけて無理のない範囲で書いていこうとは思っていますので、気長にお付き合いください。

今回は、松本選手の教則動画『Guard Reviver』をレビューしたいと思います。

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まずは全体像を見ていこう

いつもなら全体の構成を見るのですが、本作品に関しては見るまでもなく、綺麗に構造化されています。

特定のパスガードとその対策というシンプルでわかりやすい構成ですね。ここまでバッチリと構造化されていると解説することがありません。

本作品の2つの大きな特徴

本作品を一通りみて気付いたことが2つありました。

  • 高い解像度で状況が見えていること
  • 腕と脚を合体させて強いフレームを作ること

それぞれ解説して行きましょう。

高い解像度で状況を判断する

質問です。ニーオンされた状態をどうやって説明しますか?

ん?ニーオンはニーオンだろ?何を言っているのかわからない?

そうでしょう。わたしもそっち。ところが、「08.ニーオン対策① スパイダーリテンション」を見て、松本選手の物事を捉える領域というか視野の広さに目がバチッと醒めました。

松本選手は「ニーオンされた」という認識はしていません。

「08.ニーオン対策① スパイダーリテンション」では、スパイダーリテンションに入る前に、状況の説明が入ります。2パターンです。

  • ニーオンされて、パンツ持たれている。ニーオンの膝は自分の顔の方に向いている
  • ニーオンされて、パンツ持たれている。ニーオンの膝は自分の顔の方には向いていない

「ニーオンされている」という状況の理解だけでは粗くて、パンツの状態とニーオンされている膝の方向を同時に認識する必要があります。

要は細かいところまで見えてわかっているということですね。

デキるビジネスマンが細かい情報まで見えている状況を「解像度が高い」と表現することがあります。高い解像度で物事を見ることこそが、ガードリテンションの第一歩という気がしてきました。

解像度とは?
Q:ビジネスにおける解像度ってどんな意味か教えて
A:ビジネスにおける「解像度」は、通常、情報や問題を理解し、詳細に分析する能力や、決定を下す際に持つ情報の明確さや精度を指します。
(中略)
要するに、ビジネスにおける解像度とは、情報や問題に対する理解の深さや明確さを示す概念であり、これが高ければ、より効果的な意思決定や戦略立案が可能になります。
出所:ChatGPT

また、トレアナは7種類、担ぎは6種類の対策動画があります。
1つのパスでもこれだけ段階を細かく区切って認識しているというのは解像度が高いことを意味していますね。

個別のテクニックも重要ですが、まずは柔術の解像度を上げることこそが本作品のキモなのかなぁと思いました。(言われてみたら認識できるのですが、実際にスパーリング中にそれをやれって言われると難しいのはすっごくわかります。逆にこれが出来たら黒帯なのかもしれません)

パスガードの対策を理解するのも大事ですが、それに至るまでの状況を理解するのはもっと大事という本質が隠れている気がしました。

腕と足を合体させて強いフレームを作る

本作品を見ていて気付いた点は、松本選手が足と腕を合体させて強いフレームをつくる動作をすることが多いことです。

どれぐらい多いかって言うとこんな感じ。

私が気付いただけでも9つ(本人に聞いたら追加ありそう……)ありました。9/32(28%)って結構ですよね。

有名なところで言えば、「12.ニーカット対策① レッグハグ」。
リバデラvsクロスニーの展開で、リバデラしている脚の下に、腕を入れて相手の膝を床につかせないようにする技(レッグハグ)は誰もが一度は道場で習ったことがあると思います。

私が個人的にいいなぁと思ったのは「32.かみつき対策② レッグマフラー」です。実際にスパーリングでも使うようになりました。オーバーアンダーは腕を伸ばして止める(スティフアーム)を使っていましたが、これにレッグマフラーが合体すると強力です。


↑レッグマフラーによる腕の脚の悪魔合体

合体フレーム技はとても強いので、参考になります。

他に良いなと思ったこと:名前をつける

出所:『アオアシ』18巻


ガードリテンションとは直接関係ないのですが、技に名前がつけられています。特に「如意棒」「レッグハグ」「レッグマフラー」は特にウマいなぁと思いました。

なんとなくやっている技だったらユニークな名前はついていないでしょう。松本選手が意識してやっているからこそ名前をつけるし、名前がついているからこそ、意識が神経系に浸透して、技として発動するのではないでしょうか。

「ベリンボロ」だって誰かが意識して名前をつけたからこそ、みんなが意識して使うようになったというのは少しぐらいはある気がします。

強い選手が強い理由はこういうところにもあるんだろうなぁと思います。

まとめ:「状況の理解」と「対策の理解」がある


どんなに正しい知識をインプットしたところで、状況を正しく理解できていなければその知識は発動しません。『Guard Reviver』を見て、松本選手の持っているテクニック以上に、高解像度で状況を瞬時に理解する力こそがガードリテンションの本質なんじゃないかと思いました。

教則動画をなぞって、なんとなく「対策の理解」をするのではなく、「状況の理解」が先にあることを念頭に置いた上で『Guard Reviver』を見ると吸収率が高まるのではないでしょうか。

言うほど簡単なことではありませんが、まずは松本選手のような高解像度の視野・視点を持てるように頑張りましょう。

以上「教則動画レビュー『松本一郎 GUARD REVIVER』」でした。

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「対策の理解」はあったのに「状況の理解」ができていなくて、10年ぐらい同じ技に苦しんだというお話です。

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オマケ

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オマケ2

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そんな方のために、私の調査結果を残しておきます。
要は「keep」は会話で使う柔らかいイメージで「retain」は文章で使うような硬いイメージだそうです。

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