柔術女子が家族や恋人に道場通いを反対された時の対処方法 その1


こんにちは、taikiです。
女性の読者の方から「家族や恋人から道場通いを反対されるのですが、どう対処すれば良いでしょうか」というご質問が寄せられました。
この様な女性目線での疑問は私からは全く出ない発想で驚いたのと同時に、私が女性じゃないから非常に書きづらいのです(笑)しかし、今回も頑張って私なりに意見をまとめてみました。

家族や恋人に反対される主な理由

女性が道場通いを反対される理由は2つあります。一つずつ見て行きましょう。

  • 理由1:危ない・怪我する・顔に怪我したらどうするの
  • 理由2:(主に恋人から)他の男の人と寝技でくっつくのが嫌だ

怪我を理由に格闘技を反対されるのは定番のあるあるネタの一方で、男性と寝技の練習をすることを好意的に思われないのは女性特有の問題なのでしょう。理由1と2をそれぞれ切り分けて考えてみたいと思います。今回は「理由1:危ない・怪我する・顔に怪我したらどうするの」について掘り下げつつ対策を考えてみましょう。

「怪我するから危ない」の怪我とは何か

格闘技経験のない両親や恋人から「危ないからやめろ」と男女問わず誰しもが一度は言われたことがあるんじゃないでしょうか?特に女性の場合は、「顔に怪我したらどうするの!」と心配される方もいらっしゃるでしょう。ここで言う「怪我」ですが、具体的にどんな怪我のイメージを持たれているのでしょうか。怪我といっても突き指程度の軽い怪我から骨折や頸椎損傷と言った重たい怪我までたくさんあります。それぞれ考えてみましょう。

大きな怪我

おそらく足の骨であれば粉砕骨折、顔の怪我であれば鼻骨骨折・眼窩底骨折、重度の怪我であれば頸椎損傷をイメージしているのでしょう。これらの怪我が起こる可能性はゼロではありませんが、格闘技だからこれら大怪我のリスクが高いと言うのは大間違いです。スポーツや運動すべてを危ないからしてはいけないという議論がしたいのであれば話は別ですが、そうでない場合は他の競技に比べてどうかというヨコ比較の中で危ない・危なくないを議論しないといけません。

下記のデータは中学高校における部活動での死亡及び重度障害の発生率に関するデータです。10万人あたりに何人ぐらいの死亡及び重度障害が発生するかを表しています。自転車が一番事故が多いというのは驚きですね。中高年でもトライアスロンとか自転車にハマる方もいらっしゃるので要注意です。柔道は4.8人となっています。


出所:学校における体育活動中の事故防止について (報告書)平成24年7月 体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議

柔道をベースにブラジリアン柔術の特性を考慮して考えてみましょう。
ブラジリアン柔術でデータを読み解く際には下記の2点を考慮する必要があります。

  • 競技者は社会人が多く、部活のようなシゴキは考えにくい
  • 柔術は柔道に比べて投技が少なく床に投げられる事が少ない

それぞれ半分に確率が下がると考慮すると4.8人×50%×50%≒1.2人程度と考えて良いのではないでしょうか。10万人に1.2人と言うと中学高校の部活動で言えば、水泳とかハンドボールぐらいのレベル感です。

これって危ないですか??

☆☆☆

日本の部活動のデータだけでは納得感が得られないかもしれませんので、アメリカにおけるスポーツ事故による死亡率について見てみましょう。
比較しやすいように10万人あたりの死亡事故に変換しております。


出所:http://www.besthealthdegrees.com/health-risks/

縦軸が10万人あたりの死亡事故件数です。カーレースは10万人いたら1000人が死亡するようです。恐い。
山や空や川といった自然と向き合うスカイダイビングやカヌーといった競技も危険が伴うというのは数値からも納得感がありますね。一方で、10万人に1人と考えるとアメフトやスキューバダイビングよりも事故が少ないということになります。

これって危ないですか??

なんとなく危ないと言っている方はなんとなくのボクシングのイメージにつられているのではないでしょうか?

小さな怪我

致命的な怪我ではなく、突き指とか打撲、捻挫の事をイメージされている方もいらっしゃるでしょう。データがないので定量的に議論することは出来ないのですが、私の5年強の短いキャリアの実感値としてブラジリアン柔術が特別怪我するとはまったく思えません。軽い怪我はブラジリアン柔術に限らずスポーツをやっていれば普通におこります。スポーツではなくても日常生活でも起こります。料理の際に包丁で手を切る確率の方が圧倒的に高いのではないかとさえ思ってしまいます。

もしくは偶然のバッティングで顔が腫れちゃうとかでしょうかね。特に女性は顔にアザが出来たりすると何かと気になる方もいらっしゃるでしょう。かつての天龍源一郎戦後の神取忍をイメージしているでしょうか(画像は自粛w)。

確かに、柔術をやっていると顔に偶然のバッティングが入ることはあります。以前、私も顔にアザが出来たので嫁さんのコンシーラを借りてアザを隠して出勤したことがありました。頻度としては数年に1度あるか・ないか程度ですし、インストラクターの指示に従って練習していれば怪我のリスクは非常に小さいでしょう。しかし、ゼロであることを証明しろと言われたら無理です。それは悪魔の証明ってやつです。

「安全ではあるけど安心ではないんです!」とでも言いたいのでしょうか。それは飲みもしない豊洲新市場の地下水が「飲水基準じゃないから安心ではない!」と言っているようなもので、見当違いです。築地市場の移転に関してゴネて意思決定を先延ばしにした小池都知事ぐらい愚かな事です。

世間のイメージで物事を語ってはいけない


情報には、直接自分が触れた1次情報と第三者を介して入手した2次情報の2種類があります。新聞・雑誌・ネットのまとめサイトなんかは典型的な2次情報です。「格闘技は怪我するから危ない、やめろ。」と言う方は、2次情報を元に仰っているのでしょう。

自分の会社が新しいサービスを始める際に、新サービスが成功する根拠を「◯◯さんがこう言ってました。」とか「◯◯と雑誌の記事で読みましたし、そんな話をどこかで聞いたことがあります」と言ったレベル感で新入社員が示したらどうなりますか?まともな上司であれば新入社員に対してなぜそう思ったのか、何に基づいてその根拠を述べているのかネチネチと詰めてきて、新入社員が答えられずにフルボッコという状況がイメージ出来ませんか?自分の体験や他に体験した人のナマの声といった1次情報がないと説得力がありません。

自分で体験したことが無い事は、どんなに偉そうに話した所でリアリティーがないから響かないのです。

どんなに2次情報を大量に集めたとしても1次情報には到底敵いません。また1次情報がない状態で2次情報に触れたとしてもどこか知らない世界の話を聞いているようにしか感じられないのです。

柔術をやったことがない人(2次情報だけの人)が「柔術は危ない」といってもリアリティーがないのであなたの心には響かず、「うざいなぁ」程度にしかなりません。居酒屋でのサラリーマンの愚痴よりも響きません。格闘技・柔術経験のない家族や恋人より格闘技・柔術がもつ危なさや優しさはあなたの方が深く理解しているのです。

逆にその家族や恋人が格闘技経験者であって「ラバーガードは膝に悪いからやらないほうが良い。エディー・ブラボーも俺もアレで膝をやっちまった。だからやめておけ」という具体的な指示なら耳を傾けましょう!

とはいっても家族や恋人には愛があるからストレートに言ってはいけない



しかし、「そんな大して知らないやつの話なんて聞くな」といった三角絞め研究所のいつものトーンではいけません(笑)。
なぜなら相手はあなたを大切に思っているからです。家族や恋人は愛情があって、あなたの事を心配しているわけです。そのこと事態には感謝しましょう。(感謝出来ないと家庭環境と練習環境が悪化していきます。)

人間は、見えないもの、遠くにあるもの、巨大なものは恐がるといわれています。
きっと家族や恋人からはブラジリアン柔術という得体の知れないモノは、見えないもの、遠くにあるもの、巨大なものとして見えているのでしょう。

であれば、ぜひ体験してもらいましょう。無理なら試合でも見に来てもらいましょう(見学は興味ない人にとっては苦痛だから絶対ダメ)。あなたが楽しそうに練習している姿や練習仲間との真剣に柔術に向き合っている様子を見たら不安も少しは解消されるんじゃないでしょうか。

まとめ:「そんなに心配してくれるなら、一度体験か試合に来て、どのぐらい危なそうか判断してもらえる?」と言ってみよう

女性の場合は、特に家族や恋人から心配や反対される事も何かと多いでしょう。しかし、柔術をやっていない人が言ってくる怪我するから辞めたほうが良い理由なんて、実態を捉えていません。定量的なデータでもそんな結果は出ていないし、自分で体験したこともないのになんとなくのイメージだけの意見に振り回されてはいけません。

しかし、相手は愛情があるのでやんわりとこう答えましょう。逆に恋人であれば試してみてはどうでしょうか?

家族に伝える場合

家族さん
柔術なんて怪我するからやめちゃいなよ。

柔術女子ちゃん
そんなに心配してくれるなら、一度道場に体験に来て、どれぐらい危なそうか判断してもらえる?体験に抵抗があるなら試合を見に来てよ?どんなことやっているかがわかれば多少心配も減ると思うし、練習仲間の人達もとっても良い人ばかりだから安心すると思うよ。

恋人を試したい時

恋人さん
柔術なんて怪我するからやめちゃいなよ。

柔術女子ちゃん
そんなに心配してくれるなら、一度道場に体験に来て、どれぐらい危なそうか判断してもらえる?それすら出来ないんだったら、根拠となるデータもなく、イメージだけで物事を語る薄っぺらい意見の1つとして捉えておきます。

次回は、理由2の(主に恋人から)他の男の人と寝技でくっつくのが嫌だについて考えたいと思います。

以上「柔術女子が家族や恋人に道場通いを反対された時の対処方法 その1」でした。

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