柔術の上達に打ち込みは必要か否かに最終回答が出た話

こんにちは、taikiです。

皆さん、打ち込み/反復練習やってますか?

柔術神学論争である「上達するのに打ち込みは必要?不要?」に対する最終回答が得られました。

大賀先生の『柔術上達論』の中で、習得の段階という話があり、打ち込みの必要性について見事に言語化されていて、しっくり来たので紹介したいと思います。

「技の習熟度レベル」から考える打ち込みの必要性

『柔術上達論』の中で、技の習熟度を覚える段階と使いこなす段階に大きく分けて、さらにそれぞれを3段階、全部で6段階に分けて定義していました。

このレベル感がとてもしっくり来ました。
Lv1〜Lv3はまずは自分が手順を覚えていて、身体が動くか。絶対的な話であって相手は関係ありません。打ち込みが向いています。

Lv4以降は相手がいる上で使えるか。相対的な話であって相手ありきです。スパーリングが向いています。

私の場合で言えば、三角絞めは試合でも使えているので「使いこなす段階」のどこかにいると思われます。その一方で、先日、道場のクラスでオーバーアンダーのパスをやった際に、手順が全然わかっておらずとても不自然な動きをしていました。Lv2-3のあたりですね。

こうなると私の場合は「三角絞めはスパーリング、オーバーアンダーパスは打ち込みをやったほうがいい」が結論です。

自分のやりたい技とその技に対して自分のいるLvによって打ち込みが必要にもなるし、不要にもなります。

乱暴に言ってしまえば白帯はLv1-2、試合に出て青帯が見えているような白帯であればLv3なのでしょう。

逆に、色帯であっても考えないとスムーズにできない技はLv2-3あたりにいるので打ち込みをした方がいい。

打ち込みの必要性について綺麗に言語化ができた気がします。

トップ選手が打ち込みよりもスパーリングを重視するのは「使いこなす段階」にいるから

トップ選手のインタビューで練習方法について話していると、たまに打ち込みとスパーリングの話になります。

例えば、芝本先生はスパーリングを重視していることが柔術ナビの記事から伝わってきます。

過去に三角絞め研究所で青木真也選手にインタビューさせて頂きましたが、その時に青木選手は打ち込みをしないと仰っていました。

要はトップ選手達は既に「使いこなす段階」にいるので、スパーリング重視になるのでしょう。

道場経営という視点から見た打ち込み

私が所属する道場では、クラスに「ベーシック」「レギュラー」があります。

1時間のクラスであればベーシックがテクニック45分、スパーリング15分、
レギュラークラスはテクニックが30分、スパーリングが30分です。

白帯参加率の高いベーシックでは打ち込み中心の練習、青帯以上の参加率の高いレギュラーではスパーリング中心の練習、さらにコンペティションクラスというガチ野郎の集いはスパーリングのみの練習内容です。参加者のレベル感と練習内容がマッチしていて技の習熟度の視点から見ても理にかなっていました。

上達を目的に考えるのであれば、白帯がたくさんいるのにひたすらスパーリングをやるは間違いだし、強くなりたいと思っている色帯がたくさんいるのに永遠と打ち込みをさせるのも間違いと言えるでしょう。

大手の道場は、長きに渡る道場経営でこういったノウハウを蓄積し、自然とクラスに落とし込んでいるだなぁと関心しました。

まとめ:その人のレベルによって必要だったり、不要だったりする


『柔術上達論』を読んで打ち込みに対する考えはこんな感じでまとまりました。

  • 白帯であれば打ち込みは必要
  • 青帯以上でも考えないと出せない技をやるなら必要
  • やりたい技が既に使いこなす段階にいるなら不要(スパーで試そう)

帯色に関わらず新しいことを始めるには、考えずにスムーズにできるレベルまでは頭と身体で覚える必要があります。そこまで出来てはじめて、心で理解するレベルに入るのでしょう。

ぜひ、自分にあった練習方法を見つけて楽しい柔術ライフをお過ごしください。

以上「柔術の上達に打ち込みは必要か否かに最終回答が出た話」でした。

オマケ:『柔術上達論』

私もまだ読んでいる途中ですが、柔術を俯瞰して大きく捉えている点がユニークですね。Kindle版もありますのでよかったらどうぞ。

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