青木真也選手に聞いてみた!前編 ストロング本能への道

こんにちは、taikiです。

これまでに三角絞め研究所ではいろんな方に登場して頂きましたが、今回もスゴイですよ。

このブログの読者の皆様であれば、もはや説明不要の格闘家、青木真也選手に登場頂くことになりました。私もまさか青木選手に登場頂く日が来るなんて想像もしていなかったので驚いています。

前編では格闘家や柔術家のような格闘技を生業にする人が賢く生きる為の考え方を中心に一般人でも応用できる話を中心に聞いてきました。

お楽しみくださいっ!!

青木真也選手の基本情報

名前:青木 真也(あおき しんや)
生年月日:1983年5月9日
身長:180㎝
体重:ライト級
所属:フリー
出身:静岡県静岡市
主な格闘技歴:柔道、ブラジリアン柔術、総合格闘技

関連サイト:
SherdogTwitternote

主な獲得タイトル:
第8代修斗世界ミドル級王座
第2代DREAMライト級王座
第2代ONE世界ライト級王座

書籍:

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格闘技を生業にする人に持っていて欲しい3つの思考

taiki
taiki
青木さん、読者の皆様、こんにちは。

本日は、総合格闘家の青木真也選手にお越し頂きました。青木選手にいろいろとお話を聞いてみたいと思います。本日はよろしくお願いします。
こんにちは、格闘ドカタ青木真也です。
こちらこそよろしくお願いします。
青木選手
青木選手

思考1:合理的に数値に基づいて考える

taiki
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まず最初に教えてほしかったのですが、なんでこんな場末の柔術ブログにご登場頂けたのでしょうか?

もしかして、三角絞め研究所を読んでくれていたのですか??
和田竜光選手のインタビュー記事とかスポンサーの記事読みました。

私はインターネットが好きなネット住人なので、個人が運営しているネットメディアの強さを理解しているつもりです。

PVはそんなに多くなくても刺さる層にはすっごく刺さっていますよね。三角絞め研究所もそうじゃないですか。
青木選手
青木選手
taiki
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三角絞め研究所をそんな風に見てくれているなんて嬉しいです。ありがたいことに三角絞め研究所を毎回読んでくれて応援してくれる方々はいらっしゃいます。

青木さんのnoteも青木マニアに刺さっている個人メディアですよね。私も定期購読しています。

そのnoteの中でもたくさん刺さった文章があるのですが、特に「同世代に差をつけられ始めたけども、踏ん張って頑張る話。」が凄く好きです。20代で早くから活躍していた人が年を重ねて30代中盤になった時に、世の中がどう見えるのかが私にはない視点でとっても印象的でした。

アスリートの苦悩みたいなモノが刺さりました。
20代でPRIDEのような格闘技界の中心で仕事をしていると自分の実力だと勘違いしてしまうんですが、それって構造の違いなんですよね。

同世代が30歳すぎて表舞台で活躍するようになってくると自分の実力だと勘違いしていたことが、構造の違いに起因するものだと実感としてわかってくるのです。
青木選手
青木選手
taiki
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青木さんの言葉を使って説明すると”逃げ馬”と”差し馬”の違いですね。
ですから、ファイトマネーで1,000万円もらっても全然すごくないんです。

大学卒サラリーマンの生涯年収を3億円と仮定すると1,000万円だったら30試合ですよ。プロ30戦って相当遠いですよね。最初の頃は全然貰えませんし。一時的に高いファイトマネーをもらったところで、長期的に考えたら全然高くないわけです。税金のことを考えると更に大変ですし。そこを考えずにワーキャー騒ぐのは頭悪い。

もちろんファイトマネー以外にも収入はあるからそれが全てではありませんが、長期的な目線で、合理的に数値で考えるとそうなります。

そして、こうやって合理的に考える格闘家があまりいないのが悲しい。ここの意識を格闘家の皆さんにもってほしいなぁって思うんですよね。
青木選手
青木選手
taiki
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私の少ない経験ですが、長期的に合理的に数値で考えるのは一般の社会人でも出来ない人は多いですね。お金に関する教育がないことが原因な気がします。
スポンサーの話も似たような所があって、私からは格闘家が搾取されているように見えます。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
格闘家が搾取されている?例えばどのあたりからそういうのを感じるのでしょうか?
本来、スポンサーと格闘家はイーブンな関係だと思うんですよね。お金と芸をそれぞれが提供しあっているのだから、どちらが偉いとか上とか下とかないんですよ。それにも関わらず格闘家がスポンサーに土下座営業しているように見えてしまいます。そこがダサい。

格闘家はスポンサーと交渉する際に「簡単に寝るな、ちゃんと口説け」と思っています。

何かを提供してほしいなら「この分を出してくれ、その変わりに俺はこれを提供する」といった感じで、頭で考えて交渉して欲しいですね。
青木選手
青木選手
taiki
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これは以前、スポンサーの記事でX氏が言っていたことと同じですね。実はスポンサーする側も選手にはそう思っていて欲しい人もいる一方で、どうしても立場の弱さが気になってしまうんでしょうかね。
格闘家の「パンツスポンサーお願いします」っていうのも古臭くて、ちょっと違うと思うんですよね。
格闘家のパンツは人と人の出会いの場であってプラットフォームなんですよ。
青木選手
青木選手
taiki
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格闘家のパンツはプラットフォーム!?出会いの場!

新しい発想ですね。


画像:和田竜光選手の試合用のパンツも三角絞め研究所との出会いの場!?

僕の場合は、パンツに株式会社GOのロゴつけていますが、スポンサーとしてお金もらっているわけではありません。PRでそれ以上のモノを提供してもらっているので、パートナーとして対等な関係が築けています。


画像:青木選手とGOの出会いの場

青木選手
青木選手
taiki
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青木さんはビジネスマン的な発想をしますね。

そういえば、青木さんの著書「空気を読んではいけない」でもONEと契約した際に、UFCからのオファーと比較した上で、良い条件であるONEを選んだ話は、良い意味で合理的な判断をするなぁと関心しました。

ビジネスでは相見積もりを取って一番条件が良いモノを総合的に判断することはよくやりますが、不思議なことに格闘技になると相見積もりよりもUFCの一社購買なっちゃうんですよね。

相見積もり
業務上の価格見積もりで複数企業に見積もりを出させ、比較すること。よりよい条件を提示した企業を選ぶために行う。「あいみつ」と略されることもある。
出典:Weblio辞書

そうなんです。だからRIZINもONEもUFCもずっと頑張って競い合ってほしいんですよ。どの団体も無くなってほしくない。格闘家個人にとっても格闘技業界にとってもどの団体も切磋琢磨している状態が絶対にいい。
青木選手
青木選手
taiki
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この合理的な理屈や思考が青木さんのベースであって、義理人情の世界観と稀に衝突する要因ですよね。

思考2:経験は資産!資産の有効活用を意識しよう

僕は最近、格闘ドカタという言葉を使っていますが、これまでは格闘家は賃金労働者だったと考えています。

その労働者が自由を少しずつ手にして来ているのが最近の状況です。

僕の場合は、格闘ドカタとして賃金労働者的に働く一方で、書籍やnoteやセミナーでも稼ぐことが出来ています。キャリアが長くなれば、それまでのキャリアで積み上げてきた歴史という資産も積み上がって来ます。

そもそもアスリートって普通じゃない経験(≒資産)をしているのですから、その貴重な資産を豊かになるために活用するべきなんですよ。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
青木さんから見て、それがうまく活用出来ている選手ってどういう人ですか?
宇野薫選手は格闘技を通じて積み上げた資産をもっとも有効活用しているように見えます。豊かな人生だなぁと思いますよね。
青木選手
青木選手
taiki
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具体的にどういった資産をどんな風に活用して、豊かさを築いているように見えるんでしょうか?
宇野薫選手自身のコミュニティーが築けていて、課金システムをいくつも持っているところです。

アパレルがあって、道着やラッシュガードも販売していて、UNO Dojoもやっている。更に試合も出ちゃう。

しかも宇野薫コミュニティーの中心は、40歳から50歳ぐらいの宇野薫直撃世代で経済的にも豊かな層です。

100Athleticの服や道着っていろんな所で見かけませんか?
青木選手
青木選手
taiki
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ああ、確かにSNS上でも着ている人を見かけますし、私が所属する道場でも100Athleticの柔術着を着ている人はよく見かけます。
宇野薫の小麦化ですよ。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
??
小麦化ってなんですか?
どこにでもあるってことです。

世の中グルテンフリーって探すの大変じゃないですか。小麦ってどこにでもいるんですよね。宇野薫選手も形を変えてどこでも出てくる(笑)

どれだけ課金チャネルを持ってるんだよって思いますよね。

画像:小麦!100Athleticを発見!
青木選手
青木選手
taiki
taiki
なるほど。うまいこと言いますね(笑)

柔術だけを切り取っても道着やラッシュガードはもちろん、ドリンクボトルと言ったグッズがトライフォースでもCarpe DiemでもパラエストラでもSNSを通じて登場するし、宇野選手自身がムンジアルでも全日本選手権といった大会でも選手として登場します。まさに小麦!!

その上、私も直撃世代なので宇野さんが柔術の試合に出てくれるとなんだか嬉しい。
そんな観点から宇野薫選手は、格闘家として築いてきた資産を有効活用して、セカンドキャリアを花開かせているように見えます。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
資産の活用という意味がわかってきました。青木さんにとっての資産の活用はご自身の経験をnoteや書籍、教則DVDといった情報商材として流通させることなんですね。

そうは言っても資産の有効活用が上手に出来る格闘家ばかりじゃないと思います。
おっしゃる通りです。
言語に関して言えば、自分の言葉を獲得出来ている格闘家は少ない。アスリートであれば本田圭佑とか一部の人だけです。

ただ、言葉の獲得は、訓練の部分が大きいので、ツイッターでもブログでも下手でも良いからやることです。格闘技と同じでコツコツ積み上げることが大事ですね。

格闘家、特に強い選手は、頭を格闘技に使うことに関してはとても上手。しかし残念なことにその横展開が苦手な人が多い。

日々格闘技で頭を使っているんだから、横展開もどんどんチャレンジしてほしいです。それが出来れば格闘家はもっと豊かになれると思います。格闘家はコンテンツとしては特異なモノを持っているんですから。
青木選手
青木選手
taiki
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格闘技の得意な方は、緻密にロジックを積み上げる印象があります。話を聞いているとしっかりと考えることが出来て、ビジネスでも成功出来るんだろうなぁと思うことがよくあります。

知識の横展開は、慣れの問題だと思いますので、ぜひ格闘家・柔術家の皆さんにチャレンジしてもらいたいですね。

ネタばらしすると三角絞め研究所も私が仕事で使っていた知識を柔術に横展開させて記事を書いているだけだったりするんですよね。
冒頭にも話しましたが、これからは個人メディアが強い時代になるでしょう。

世の中には、自分のポジションを明確にしない緩いメディアが多い。毒にも薬にもならない記事に意味はないし、事実を淡々と伝えるメディアなんてなんの役にも立ちません。

XXXXXXなんてクソですよ。XXXが水着になったとかどうでもいい(笑)
青木選手
青木選手
taiki
taiki
おお!!その部分は同意ですが、具体名は伏せさせて頂きます(笑)
そういう意味では、アスリートが言語を獲得し、自分のメディアを持つことは大きな価値があります。

巨大なPVがなくてもコアなファンがいて、困った時にファンがサポートしてくれる小さなメディアは、ポジションを取らずに当たり障りのないクズ記事を量産する大きなメディアよりも存在意義があります。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
まさかのメディア論にまで発展しました(笑)

パッチやラッシュガードを買ってくれた三角絞め研究所読者の皆さん、ありがとう。ニッチメディアとしてがんばります。

思考3:人の想いは巡り巡る。循環型人間関係

僕から見てまだまだ足りないなぁと思うことは、人に何かを与えると巡り巡って自分に戻ってくるという発想をする人が少ないことです。
青木選手
青木選手
taiki
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情けは人のためならず的な話ですか?

情けは人の為ならず
人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくる


誤り:人に対して情けをかけるとその人の為にならない

はい。
僕は格闘技の技について聞かれたら何でも話すし、教えてしまいます。また、Aoki AWARDという若手に奨励金を出す番組もAbemaTVでやっています。

これらをやる理由は、自分が何かを提供したら巡り巡って自分に返ってくると考えているからです。

AbemaTVで放送されていた格闘代理戦争3で、僕は推薦選手として古瀬選手をサポートしました。

自分で言うのもなんですがかなり手厚くサポートしました。

古瀬選手一人では会えないような人も引っ張って来ました。もちろん古瀬選手の為になればと思って考えた上での行動ですが、それ以上のモノが自分に返ってくると考えています。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
投資ですね。
大きなリターンのためにはどうしても先行投資が必要なことは、社会人として働いている皆さんはよく理解できるはず。
その一方で、「古瀬と寝たんだろ」的なことを言ってくる人もいました。

普通に考えてください、相手は女子高生ですよ。

その発想がおかしいと同時に、貧しいなぁって思ってしまいました。

人が儲かっているとか得しているように見えたら、自分が損しているように感じるのでしょうかね。ゼロサムの発想が残念すぎます。

世の中は巡り巡って循環しながら富を生産しているのですからプラスサムの発想で、積極的に人に何か与えて、その結果もっと大きなモノが返ってくると考えて欲しいんですよね。
青木選手
青木選手

ゼロサム
合計するとゼロになること。一方の利益が他方の損失になること。

プラスサム
合計するとプラスになること。一方の利益が必ずしも他方の損失にならないこと。

出典:MBA用語集を元に作成

taiki
taiki
青木さんの言葉を借りるのであれば、賃金労働者であった格闘家が自由を獲得して、進化の過程にあると捉えてみてはどうでしょうか。

青木さんがこういった価値観や思想を発信し続ければ少しずつ変化して、将来、「格闘家は合理的に数値で物事を考えることができて、知的・人的資産の有効活用も上手で、長期的な視点に立って人に投資することができるスゴイ人が多い」といった世界観を形成するかもしれませんよ。
う~~ん。発信し続けることか、、、コツコツ積み上げる、、、格闘技と同じですね。
青木選手
青木選手

新著:ストロング本能の話

taiki
taiki
これまでに青木さんの思考の部分を中心に伺ってきましたが、そんな青木さんの哲学が詰まった本が発売されるようですね。
はい。新著ストロング本能が発売されます。

私がこれまでの人生で経験してきたことは、格闘家に限らず一般の人にも応用可能な要素がたくさんあると思っています。

そのマインドセットや思考方法が皆さんのお役に少しでも立てばと思ってまとめました。

前作から私もアップデートされて考え方も進化していますので、ぜひ読んで頂ければと思います。
青木選手
青木選手
taiki
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私はかなりの(自称)青木マニアで、青木さんが忘れているようなことも覚えていて、青木さんよりも青木さんに詳しいんじゃないかと勝手に思っていました。

しかし、私が知っていたのは過去の青木真也であって、2019年の青木真也ではありませんでした。どんなマニアであっても本人のアップデートには敵わないわけです。

最新情報を含めて青木さんにもっとも詳しい青木マニアは私ではなく、青木さん本人であったことを痛感しました(笑)
え!?
青木選手
青木選手
taiki
taiki
ぜひ、ストロング本能を読んでアップデートされた2019年の青木真也に触れてみてください。いつまでも2006年の修斗の青木真也のまま時間が止まっている人はマストです。
2月20日発売ですので、よろしくお願いします。
また、出版トークイベントも2/25(月)に渋谷で開催を予定しています。イベント情報はツイッターでも発信していきますので、興味のある方はチェックしてみてください。
青木選手
青木選手
taiki
taiki
私も予約しました。ここまで記事を読んで頂いた方はきっと興味あるはずなのでぜひ手にとりましょう。
青木さん、ありがとうございました!
ありがとうございました!!
青木選手
青木選手

後編に続く。

まとめ:青木真也の思想は正統派の骨太なモノであった


いかがでしたでしょうか??

青木選手からのメッセージは、下記の3つのとてもわかり易いものでした。

  • 合理的に数値で物事を考えよう
  • 経験(≒資産)の有効活用をしよう
  • 人に投資したら自分に返ってくると考えよう

主に格闘家に向けられた言葉でしたが、それ以外の方にも十分応用できる示唆に富む内容でしたね。1時間程度のインタビューでもなかなかインパクトのある内容を引っ張り出せたのですから、もっと強烈なメッセージが新著ストロング本能には収められているに違いありません。

青木選手は良くも悪くもその切れ味の鋭い強烈な言葉で人の心を揺さぶります。

ここまで読んで頂いたアンチ青木の皆様も何かを感じ取っているからこそ読んでくれたはずです。思考停止でアンチ青木にならずに青木選手のメッセージを自分なり思考してざわついた心を前向きに整えてください!

以上、「青木真也選手に聞いてみた!ストロング本能への道 前編」でした。

後編では、柔術やグラップリングをやっている人にしかわからないマニアックな話を聞いていきたいと思います。
お楽しみに!!

青木真也選手に聞いてみた!後編 技の断捨離
こんにちは、taikiです。 前回に続き、青木真也選手のインタビュー後編をお届けしたいと思います。 前編では新著「ストロング本能」とそれにまつわる青木選手の思考を中心に話を聞きましたが、後編はもっとマニアックに柔術の技の話や青木...

コメント

  1. パピ より:

    いつも素敵な記事をありがとうございます!

    >大学卒サラリーマンの平均年収を3億円と仮定すると
    こちらですが、生涯年収ではないでしょうか?

    • taiki より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りで生涯年収ですね。修正しました!

  2. […] こんにちは、taikiです。 以前の青木真也選手のインタビュー記事(前編・後編)は反響が大きくて、多くの方から前向きなご意見を頂けました。青木選手とのインタビューでは、記事に収まりきれなかった面白い話がたくさんありました。その中の1つとして、青木選手が注目する橋本知之選手の話がありました。 […]

  3. […] […]

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